玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

「オープンデータのライセンス:ODbLの背景と内容」勉強会

去る7月29日(日曜日)に、標記の勉強会に出席した。
勉強会の模様は Ustream で生中継されており、また、事務方を務められた @nyampire さんが twitter で随時テキスト中継もされたのであるが、Ustream の方は発言者が誰であるかは判りにくい状況であった上に、みんな早口で大量に話したため、さすがの @nyampire さんも全部中継することは難しかったものと考える。

私自身は、議論に集中するのに精一杯で、とても自分の発言(あるいは意見)を twitter に流す余裕がなかった。が、沢山発言した人間として、どういう意図で何を話したのかを、ある程度までは明示しておかねばならないかな、とも考える。ここに、あの日の発言内容を(可能な範囲で)再現してみる。

なお、以下のテキストは、発言順ではなく、私の発言の本旨を適宜まとめたものである。従って、あの場で発言しなかった内容も多少含まれている(が、何を考えてああいう発言になったかは判るようになっているものと考える)

続きを読む

無体財産の扱い

6月3日に Facebook に書いた記事のコピーであるが

−−−−

日本には無体財産法がない(必要なのに)、という議論を時々聞く。

今までは「そーだよなー」以上の感想を持ったことがなかったが、先日急に具体的に必要性を感じるようになった。

民間の財産まで含めた無体財産を包括的に取り扱うような法律を作ることは難しいのだろうと思う。しかし、公有財産に限定すれば、「役所なんだから権利制限が入るのは仕方ないところ」という考えですっきり書ける可能性があるかも、と思い至った。

具体的には、

  1. 公有財産の無体財産は、国有財産法地方自治法(のような、本来は土地を念頭に置いた法律)の規定ではなく、新無体財産法の規定によるものとする
  2. 公有財産の無体財産は、公益に反するような利用を差し止める場合を除いて、利用制限を掛けたり、官公庁が権利の対象として扱ったりすることはできない
  3. 公有財産の無体財産は、その開示が個人情報保護法に抵触したり国の安全を脅かしたりその他合理的な公開できない理由が存在している場合を除いて、必ず公開しなければならない

くらいの条件をもとに法制化すれば、比較的容易に open data が浸透しないかな。

少なくとも、現時点での「こういうメリットがあるから公開するべき」論は、「その陰にデメリットもあるんだぜ」という理屈に十分対抗できているとは思えないのであった。デメリットが合理的な物かどうかは、立法時にしっかり議論してしまい、合理的ではないと判断された場合は、上記3)でいう「合理的な公開できない理由」に数えなければよい。

数学科卒の私が考えた話だから、法学部卒の人から見た場合に変に見えるかも知れないけど、本人は割と真面目である。どうでしょうか。

もう少し調べてみた

 私のメールを引っかけたのは、FortiGuard というサービスのようであった。

 同じ目に遭ったらしい人が Yahoo!知恵袋 で質問しているのだが、そこのベストアンサーには

FORTIGUARD
ゲートウェイ型のセキュリティソリューションです。
要するに会社なりなんなりでインターネットへ接続する途中に導入している製品が
サイトを不適切と判断してブロックしているので
どうしてもアクセスが必要なサイトであるなら社内のネットワーク管理者に連絡してください。

そういうものを導入しているということは
ログをみればあなたがどこにアクセスしているのかばれてしまいますのでほどほどに。

 と書かれているではないか。ということは、やはりウチの SE が「私には解除できない」というのはおかしい話になるなぁ。ちなみに、どこにアクセスしているのかも、それは不正などではあり得ないことも、全部キチンと話してある(まあ、当たり前だよね)。

 うーん。

最近の技術は難しい・・・

昨年から長時間通勤の私は、スマートフォンで探し当てたネタを仕事場にメールで送付している。視力が厳しいのでスマートフォンで小さい字を読みたくないのであった。

ところで、今月になって急に、いくつかのメールが届いていないことに気づいた。というよりも、エラーで帰って来るのである。エラーメッセージをよく見ると、「black IP を検出したので刎ねた」という意味のメッセージがある。しかし、その IP は、私が自宅で契約しているプロバイダのサーバである。

仕事場のシステム管理者に「私が契約しているプロバイダについては、利用者の中に不心得者がいて、なにか不始末をしでかしたのかもしれない。しかし、ウチの仕事場でそのプロバイダを使っているのは私だけであり、かつ、仕事に役立つ情報をメールで送付しただけであるので、black なことはしていない。ということで、IP block を解除して欲しい」とお願いした。これが数日前の話。

今朝、SE がやってきて、「black IP は、この仕事場で管理しているのではない。この仕事場では、外部の管理組織が保有している black IP リストを参照して、該当するものがあるとブロックしているだけだ。だから、外部の管理組織のリストから当該 IP を削除してもらわなければならない。それは SE にはできない。」と言ってきた。

一見リーズナブルに聞こえたので、承知した、と返した、

ところで、ウチの仕事場が利用(参照?)しているブラックリストは幅広で、Ustream もブロックされる。実は、@mapconcierge さんが昨年6月のジオメディアサミット#7で実演した GigaPan の様子を見ようと思って Ust にアクセスしたのだが、これも「不正 IP」として排除されてしまった。これを解除しようとして、管理組織(米国のサイトらしい)にアクセスしてみたところ、「最終的に判断するのはオマエの組織なんだからな」と言われた。

え? ということは、プロバイダのメールサーバなんかも同じことになるのかな?

私はもちろん不正を働くつもりはないのだが、仕事で必要なアクセスまでブロックされるとちょっと困る(Ust は自分が見るのではなく周囲に見てもらおうと思ったのだったが、結局「自宅で見てね」という案内に変えた)。メールは諦めた(笑)。

だれか、合法的に解決する手段ご存じないですかねぇ。それとも、私が単に不見識なんでしょうかね。

レンダリングを変えてみた


 先ほどのレンダリングは色が濃いと思えてきたので、少し薄めにしてみました。

 まずは縮尺 1/7,500 から。データの解像度が 1/25,000 なので、これ以上拡大してもアラが目立つだけです。建物が正確な長方形ではなく、豆炭のように角が丸いのが分かります。駅前を南北に通っている緑色の線は、行政界(区境)です。

 続いて縮尺 1/15,000。行政界を挟んで区の地色がうっすら異なるのが分かります。所々に見える赤い数字は、標高値です。家屋が密集しているイメージがありますが、道路網が見えなくなることはありません。

 縮尺 1/30,000。家屋はすっかり潰れてしまっていますが、ベタッと住宅密集地らしく見えています。鉄道が比較的くっきり見えます。

 縮尺 1/60,000。1/50,000 以下の小縮尺で家屋が表示されなくなる設定です。道路網が見えるので、人口密集地かどうかは比較的容易に判明します。

 縮尺 1/120,000。交通網のみの地図のように見えます。水涯線は、大きな河川しか目立たないようです。この縮尺だと、ちょっと暗く見えます。大縮尺では淡く見えていたのが嘘のようです。これでも、等高線を消しているのですが。

 最後に縮尺 1/240,000。縮尺 1/200,000 で道路が消えるので、河川、鉄道、行政区画のみが表示されています。この縮尺は寂しいですが、道路を出すと表示時間が多すぎてアウトになります。

 Quantum GIS では、【表示する/表示しない】しか切り替えられませんので、同じ色使いでも縮尺が変わるとかなり見栄えが変わるのが分かります。実際には、小縮尺の場合に表示する道路の密度を変えるべきなのですが、基盤地図情報 1/25,000 には道路種別の記載がありません。現実に地方公共団体GIS の背景として使って頂く場合には、このような点も気になりそうです。


 また考えてみようと思いますが、本日はここまで。

続・初心者向け Quantum GIS

 研修機関に勤務している私は、初心者に使いやすい GIS の使い方を工夫しようとしている。(本来は部下の仕事かも知れないが、直営で担当している)


 いま考えているのは、財力のない小規模の地方公共団体に対して、どれだけ低いハードルで GIS を使ってもらえるか、である。
 Quantum GIS は、ライセンスフリーであるので、特段の経費を要さずにインストールすることができるのだが、それだけでは未経験者にはハードルが高すぎる。研究者を志すような若い人には「ググれカス」で済むような話でも、日々の業務に追われつつ「いつかは GIS が使えるようになれればいいなぁ」と漠然と考えているような社会人向けだと、もっとやさしくかみ砕いて説明しないと食指を動かしてくれない。


 インストールは、最も簡単にするにはスタンドアロンに限る。専用インストーラApache その他まで入れようとすると、場合によっては仕事場のセキュリティポリシーに引っかかる。GIS を入れる、と情報セキュリティ管理者に申請している場合には、他のアプリは(たとえ有用でも)「一緒に入れるのは厳禁」だったりする。

 次にデータ。データも料金が掛かったりアクセスが大変だったりすると、超初心者は使ってくれない。昨年度の私は、いずれも自由に利用できるデータとして、章縮尺は国土地理院の「みんなの地球地図」(shape)を、中縮尺は基盤地図情報25000WMS(国土地理院の元データを、農研機構がWMS配信してくれているもの)を利用していた。これらは慣れるまでのハードルが比較的低く、また、慣れてしまえば使いやすい。
 しかし、WMS の方は、オンラインでないと使えないという制約がある。ノートパソコンに QGIS を入れて、幹部の事務室でデモを見せるといった用途には向かない。


 それで、基盤地図情報25000のベクタデータを用意してみた。これなら(もちろん)オフラインで利用できる。基盤地図情報は、JPGIS で配布されているので、そのままでは Quantum GIS では読めないが、国土地理院が公開している変換プログラム( psea )で比較的簡単に shape に変換することができる。と、ここまでは順調なようだが、やっぱり落とし穴があった。基盤地図情報25000を県別にダウンロードすると、ほとんどの場合ファイルサイズが大きすぎるのである。一例を挙げると、神奈川県で 640MBytes,岩手県だと1GBytesになる。これを全て表示させようとすると、あっという間に1分位は待たされてしまう。これでは、初心者は使う気にはならないだろう。

 実際には、表示縮尺がある程度小縮尺の場合に等高線などは表示されないように設定が可能であるが、これは超初心者はなかなか気づかない。また、どの程度の縮尺から表示させるのが良いかも難しい。香川県と北海道では、最初にプロジェクトファイルを読みこんだ時の表示縮尺が異なるし、なによりもディスプレイのサイズ(正確には、Quantum GIS の表示画素数)によって最初にプロジェクトファイルを読みこんだ時の表示縮尺が異なるのである。
 まあ、これは Quantum GIS の仕様のようだから、とりあえず諦めるが、表示させる縮尺の範囲及び地物の色や線幅などの属性については、予め既存スタイルとして xxxx.qml ファイルを用意しておく方が親切であろう。色や線幅などの属性は各県共通にできるかもしれないが、表示させる縮尺の範囲は県別に変える方がよいので、結局県別に xxxx.qml を用意するべきかも知れない。(そもそも、市町村毎に色を塗り分けるのであれば、県別に xxxx.qml を分けないと無理である)
 そうやって考えると、もとの JPGIS にはもちろん qml ファイルは含まれないので、ウチで(研修機関で)標準的な xxxx.qml を一式用意して配布する、なんてことになるのかも知れないと思ったり。



 例は、横浜市瀬谷区と旭区の境界付近)について qml を用意してみたところである。荒削りであるので、レンダリングのプロが見たらいろいろ言いたくなるかも知れない(遠慮なくおっしゃってください)。


 やるべきことが見つかって喜ぶべきなのだろうけど、根気のない私はちょっと溜息をついている。


 レベルの低い話を書いていますが、ウソではございません(笑)。

残念な果物

 twitter では何度かつぶやいているような気がするが、この冬は果物が不作であった。


 昨年度は、自宅近くのスーパーでは、常に見事な林檎が1個 66円で手に入った。既に季節が終わった筈の5月くらいまで、価格も質も変わらなかった。それが、今年度はずっと品質の落ちる実なのに一個100円近くする。最近すっかり林檎好きになってしまった私は、せいぜい2週間程度しか我慢できず、つい買っては後悔するということを繰り返している。


 もっとひどいのは蜜柑である。どこで買ってもしわしわである。もしや、今年は蜜柑が全く採れず、1年間どこかの倉庫で眠っていた昨年度の実が流通しているのではないかと疑われるほどである。それでいて、昨年度よりも5割以上価格が高い。ありえない。林檎ならば、東北が(地元の皆様がそれどころではなかっただろうから)収穫が悪くて、結果として価格が上昇してしまったというのは理解できる。しかし、蜜柑は違うはずである。
 あ、それとも、台風12号の影響がそこまで深刻だったのだろうか?