玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

猛烈な台風は猛烈な温帯低気圧を産む

 10日前にマリアナ付近で 905hPa という猛烈な勢力を誇った台風22号は、今はもう平凡な温帯低気圧になっています。
 しかし、この台風が勢力を弱める際には、偏西風によって北側の暖かくて湿った空気が大量にはぎ取られています。これが遙か北東で停滞前線となり、その先で発生した温帯低気圧が発達して、今朝の天気図では 950hPa という恐ろしい勢力になっています。



 台風22号本体はかなり勢力を殺がれたので、温帯低気圧になってから猛烈な発達をする可能性は高くなさそうですが、これがもっと早く北上して日本に接近し、渦の形が乱れて寒気が入る形で温帯低気圧になった場合は、湿った暖気の固まりが消滅した訳ではないので、北東へ移動しながら急速に発達することもあります。数年前にそうやってわずか1日で中心気圧が 30hPa も下がった温帯低気圧を見たことがあり、三陸沖などで相当数の漁船が遭難しました。
 気象庁にはそのあたりをもう少しうまく呼びかけて頂きたいものです。
 要は、秋から初冬にかけての寒い時期に、台風が季節はずれの暖気を持ち込むと、台風自体が勢力を弱めたとしても、温帯低気圧が急速かつ猛烈に発達する下地を作る場合が多い、ということだと思うのですがね。