玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

2021-01-01から1年間の記事一覧

道路地図のベクトルタイル

まえおき この記事は、 qiita.com用の記事です。 昨年までの状況 私は道路地図を作る財団で仕事をしています。私が今の職場に来たのは 2020年ですが、この団体は 1988年から仕事をしていますので、今の目で見るとやや Old Fashined な部分はあります。 現在…

今更、作用素を持つ群

浅野・永尾、「群論」、岩波全書 は学生時代の標準教科書だった。当時の教官は、学科が推奨する教科書に関係なく、4月にいきなり有限群の表現論の話を始め、勇気ある学生が「先生、教科書のどのあたりか分かりません」と質問したときに「あ、多分第6章ね」…

管状近傍

ジオイド面を R3 に埋め込まれた球面と同相な二次元多様体と見て鉛直線を法バンドルと見た時、標高が -10mより高く、かつ、+10mより低いようなエリアを考えると、これがジオイド面の管状近傍になる。 これは物理屋や測量屋にとっては比較的分かりやすい話な…

ベルトモデル(再3

管状近傍とベルトモデル 23日の記事の続き。服部先生の『多様体』(岩波全書)の第6章冒頭の記述を、道路向けに書き直してみたら、こうなった。 元の記述は、任意の次元で成立するように書かれていますが、道路の話なので、二次元多様体(地表面もしくは道…

ベルトモデル(再2

道路中心線の最小曲率半径は、普通自動車の最小回転半径よりも小さくならないので、道路中心線を道路面に(多様体として)埋め込んだ場合に得られる管状近傍の定義範囲(法バンドル方向の長さの下限)は下に有界な値が取れる。前回の記事は、このことを書き…

ベルトモデル(再

自動車道のベルトモデルについての話を半年ぶりに書きます。 前回までは、道路中心線を1次元の多様体(至る所滑かな一次元複体)だと見て、その多様体上の各点で法線バンドルを考え、その法線が有限の長さになるようにすれば、道路面を2次元多様体で表現で…

以前のモデルへの疑問(メモ)

内部メモですので、殆どの方には意味をなさないと思います。 ▽単なるポリゴンとベルトとを区別するものは何か? ・セマンティックには明らかだが、数学的なモデルとしてどのように記述をすればその違いが明示できるのか。 ・図示したら分かるというのは論外…

ベルト・プリミティブ(再々)

昨日 3/13 の記事で、地図投影を前提とした3次元空間を定式化した。数学的には何も新しい話はないが、直交3次元座標(人工衛星の軌道計算に使う)ではなく、回転楕円体面またはジオイド面を基本の二次元多様体として、それを直交三次元空間に埋め込み、二…

3次元空間の構成

3月8日の記事で、道路が立体交差の場合は面倒なので端折る、と書いた。横着をせずに考えてみることとすると、投影面は回転楕円体面であるべきだが、水平面は重力の等ポテンシャル面でなければ都合が悪いということをちゃんと取り扱わなければならない。両…

ベルト・プリミティブ(再)

金曜日の記事を読み返したら長い上にちょっと冗長な印象があるので、要点を冒頭にまとめることとしました。 【前提】 ・道路網は、もともと一次元のグラフ構造として表現する場合が多い。 ・これは、一次元複体と考えることもできる。一次元複体は、一次元位…

幅のある地物

道路や鉄道は、ネットワークとして見る場合には、一次元複体( ごく普通に shapefile で表現できる線図形)として表現するのが自然である。これは今更言うまでもないこと。 では、車線単位の道路など、ネットワーク構造を維持しながら、幅も有限の大きさで把…

線図形に紐付くということ

(この記事も閉鎖 SNS のコピーです。SNS の公開設定を切り替えるのが面倒なので、こういうことをしています) 少し前に、「線型位置参照」について、『道路を一次元図形(局所的に一次元である多様体)としてモデル化した場合、道路近傍の地物の位置は、道…

3次元空間(ベクトルバンドル、続き)

(この記事も、閉鎖 SNS に書いたもののコピーです) いわゆる標高0mの面であるジオイド面は、よく知られているように、幾何学的にはすっきりした形をしていません。ジオイド面は、厳密には、重力の等ポテンシャル面ですが、地球を構成している物質が組成も…

線型位置参照

(Facebook にも書いた記事ですが、Facebook は少数の知人向けに限定公開なので、こちらにもコピーを掲載しておきます)聞き慣れない言葉です。私も、今の職場に移ってから初めて聞きました。ISO/TC204 WG3 などの界隈では使われ始めているようです。ここで…