玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

ベルトモデル(再2

道路中心線の最小曲率半径は、普通自動車の最小回転半径よりも小さくならないので、道路中心線を道路面に(多様体として)埋め込んだ場合に得られる管状近傍の定義範囲(法バンドル方向の長さの下限)は下に有界な値が取れる。前回の記事は、このことを書きました。

 

すなわち、管状近傍の定義可能範囲は道路縁の多少外側まで広がっているということになります。(道の駅とか高速道路の SA など、例外はあり得ますので、そのような場合をどうするかは別途考えなければなりませんが)。

当面、上記括弧書きのような例外を除外して考えることとすれば、道路縁のすぐ外側にある道路標識などについても、その立地地点が道路中心線の管状近傍に含まれますので、道路中心線の接空間を x軸、道路中心線の法バンドル方向を y軸として一意的な座標値で表現できることになります。

 

管状近傍の存在は、道路中心線が(自動車道であるため)1次元の可微分多様体で表現できることが本質です。これが徒歩道だった場合は、道路中心線は可微分性が保証されないところでした。

現実のデジタル道路は、折れ線近似で表現されており、全域で可微分性が保証されているわけではありません(離散化の宿命)。しかし、ある道路区間を(p0, p1, ・・・, pN-1, pN)のように N+1 個の点列で近似した場合、p1 から pN-1 までの区間については、その区間と前後の隣接区間から外接円が2つ定義でき、それらの曲率半径の逆数を内分することで適当な曲率を設定することができます。実際には、曲率半径があらかじめ定めた上限値を超えた場合は、∞とみなすこととすれば良いでしょう。

 

半年前に書いていたベルトモデルは、私が管状近傍という概念を理解していなかったために、まどろっこしい記述になっていましたが、本質的には同じことでした。