勝つも負けるも決断ひとつ
札幌オリンピックの頃。
まだ、太平洋戦争の記憶を持っている大人が沢山いた。ウチの親父もその一人。集団疎開を経験し、自宅の方向が夜半真っ赤になるのを見て、同級生と泣いたりしたそうだが。
当時の少年サンデーには、太平洋戦争のキーになる場面が記事として掲載されていたことがある。ミッドウェイで4隻の空母が撃沈されるページでは、傾いている赤城、海に滑り落ちる艦載機、誘爆している魚雷などが描かれていて、それらの絵の意味を親父に詳しく説明してもらった。
土曜日の7時に、太平洋戦争のドキュメンタリーアニメ!が放映されていたりした。『決断』といった。
こんな古くさい話は、記憶の地層の下の方に埋もれてしまっていて、掘り出されることなく眠っていたのだが。
今日、部下が「自宅でCATVで『決断』を見てる」と言った。その途端にアスペリティが破壊され、口から歌が出てきた。
「知恵をー巡らーせー、
頭ーをつーかーえー、
なーやみ抜け抜ぅけー、
あ、おーとーこーなーらー。
かーつも、まーけぇるーも、
けつだんひーとぉつー、
勝って奢るなー、
敗れて泣ぁくーなー
おーとーこ、涙は見せぬもーのー」
なんで38年も前の歌が出てくるかなぁー。
これを書いていて思い出した。読売系の番組だった。だって、最終回がなぜか「川上哲治の決断」だったからな。
最近、少し前のことが思い出せなかったりするが、新しい地層が開析されてゆき、古い地層がこうして出てくるんだなぁ。
でも、太平洋戦争に負けた兵士や国民は、みんな泣いていたけどなー。