玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

すみません、引退していません

 あまり能力の高くない者たち(私を筆頭に)であっても、3年も議論していると、さすがに素人が思いつく程度の変化は全て検討し尽くしてしまい、その先の変化だけが残る。
 実際には、変わりゆく世の中に合わせて検討すべき項目の範囲も変わってゆくので、「これで検討は終了」というようなことにはならないが、変化が緩やかな間は、過去3年間の検討結果がなにがしかの形で生きていて、次善以上の策を思いつくまでの所用時間はそこそこ短縮できる。
 まあ、そうでなければ仕事人とは呼べまい。他の部署から異動して来た者が所在なさげにしているのも当然であって、彼らに大きな顔をされるようならば自分たちはさっさと辞表を書くべきなのである。


 ところが、他の部署から異動してきた人が遙か高位の人である場合は、事情が一変する。その方にとって、部下達が「それはできません」というのは、単なる逃げ、サボリにしか見えない。「なぜそのように、詰まらない解に急速に議論が収束するのか。こんなにいろいろ考えるネタがあるではないか。」と言うわけだ。議論を(部下なりに)尽くして、収束の早い脳になっていることが分かって頂けない。いや、こちらが考えたこともないような着眼点を示されれば、「うわっ!読み抜けだ」とか慌てて、改めて読み直したりするのだが、新しい着想がなければ「再考しろ」と言われても時間の無駄になる可能性が高い。
 司令官の命令であるから、再考しないわけにはいかない。いかないが、再考しても同じ結果になることが99%確定的な場合にどうするか。負けると分かっている戦に従軍するようなものなのだが、戦死すれば許してくれるんだろうな、などと下々の者は考えるのであって。「戦死するんだから、国が滅んでも知らないよ」と考えるか、「家族を残して死ねるか」と考えるかで、人間の器が決まるのかも知れない。
 私? 私は、HPが20%まで削られた時点で退却しようと考えている。それでも軍法会議かも知れないが、な。
 残り1%の確率で勝利した場合? その時は、司令官御一人の御手柄になさいませ。司令官だけが元帥に昇進され、我々は原級留置で構いませんとも。




 司令官が交代すると、こういう軋轢が発生しがちだが、これをパラダイムシフトと見るのがよいか、非効率と考えるか。