玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

第四紀

 第四紀の開始時期が77万年早まって、258万年前からになるそうだが。

 今回は、第三紀の一番新しい部分(鮮新世)が第四紀に編入されるのでニュースになっているようだ。新聞記事には、教科書その他の書き換えが大変だ、などと書いているが、私に言わせれば「だからどうした」である。

 私が子供の頃、ラクエル・ウェルチの映画「恐竜100万年」というのがあって、幼稚園児だった私がめずらしく「大人のおねーちゃんってええなぁ」などとマセたことを感じたりした。で、親父に「恐竜は100万年前にいたのか?」と訊いたところ、親父が『恐竜の世界』(H.S.ジム 訳・小原秀雄)という絵本を買ってきてくれたのであった。ブロントザウルス、ブラキオザウルス、トリケラトプスティラノサウルス、ディプロドクス、アロサウルス、プロダクチルス・・・今でもあの頃見た恐竜はよく覚えている。もっと幼かったはずの妹と、一緒に興奮して読んだ記憶がある。

 ところで、この本(とっくに失くしてしまったが)の末尾には、昔の時代の年代が書かれていた。私は一生懸命この年代を全て覚えたのだが、大人になって苦労することになる。

 たとえば、この本ではゴトランド紀は3億2千万年前〜3億5千万年前までだと書かれていた。2億年前は二畳紀古生代)だと書かれていたのである。現代の基準とは大きく異なる値である。現代の基準では、白亜紀がずっと長いため、『恐竜の世界』でいうジュラ紀までが白亜紀になっている。『恐竜の世界』でいう二畳紀は現代の基準では三畳紀である。

 私は小学校高学年の頃、学習研究社「5年の科学」で炭素14の放射性崩壊により年代がわかる、という記事を読んだことがあり、それゆえもっと古い時代についても時期の見積もりが修正されることなどないのだろうと思いこんでしまったのであった。

 最近(10年以内)、炭素14でも暦年補正が必要だったり海水中ではリザーバ効果も計算に入れなければならないとかを知り、自分の古い知識が役に立たないのを実感したのであった。子供の時の苦労は報われるとは限らないのだよなぁ。といいつつ、子供のすること、私はゴトランド紀が、妹はオルドビス紀が、それぞれ音感から気に入った程度なのであったが。