玄天黄地

学生時代、箸にも棒にも掛からなかったアホの子が、やっと普通のアホになれるか?

曲げないこと

 職場の暑気払いで昔の話をしていて、ふと、自分は以前もっと頑固だったということを思い出した。


 製品の仕様がどうあるべきかで、1時間以上上司と議論し、押し通す形で自分の仕様を実現したことがある。今の自分からは考えられない。今、上司と意見が分かれた場合、よほどのことがない限り10分以上は議論しない。多くの場合、言葉だけで自分の正しさを伝えるのは難しいし、なによりも自分の正しさが完全に証明できるとは限らないからだ。思い出した場面は、局所的な条件だったので、自分的には正しさを証明できるつもりだったが、それでも上司は納得せず、実装したソフトウェアの動作を見て初めて納得してくれたのだった。


 その後転職することになり、新しい職場の採用面接でもその時のことが話題になったのだが、実績のない者が発言してもすぐには正しいと認めてもらえないことがある、と総括した記憶がある。
 この総括が正しかった場面もあるが、残念ながら正しくなかった場面もあるようだ。あの時、あの場所でもう少し主張していたら、現在こんなに苦労することはなかったんだろうな、と思うことが時々あるのだ。年少の同僚が主張を曲げない時に、彼なりに主張に筋が通っていると、つい甘い顔をしてしまうのは、自分がこうしてオッサンになってしまったからかもしれない。
 今から「主張を曲げない」を実践しても、ただの頑固爺ぃの道が待っているだけだしなぁ。